「報道されない!」のと同時に「我々が聞く耳を持っていない」という話

2019年10月19日ブログ,ライフハック

みなさんどうもインフルエンサー!影響力を行使してもっと情報拡散したい@xi10jun1です。 台風19号の被害の状況が日に日に明らかになっていくなか、ツイッターでは「報道されない!」といった言説が目立ちます。 だけどそれ、「我々が聞く耳を持っていないからなのでは?」と考えたことはありませんか?

「報道されない!」のはマスコミだけの責任か?

台風に限らず、何らかの事件や事象が起きると、必ずネット上で散見される『マスコミが報じない真実!』という声。 もちろんそういった事例はあって、現に野党側の不祥事、マスコミ関係者やジャーナリストによる放射能デマ問題、HPVワクチンや反ワクチン問題、謎の水装置問題などは十分に報じられているかというと疑問が残ります。 確かにマスコミに責任があるでしょう。ふてぇ野郎だ。 で、これらの話を我々がどう受け取っているかっていうと、大抵の人は無視しているわけです。 理由は単純。 つまらないから。 事実はもちろん、自分には関係のない(と思い込んでいる)情報というものに、人は残酷なまでに無関心なのです。 つまり。

「我々が聞く耳を持っていない」のも報道されない一因

というわけです。 マスコミも所詮は営利目的の民間企業。 数字を取らなければ、利益を得られず潰れてしまう。 じゃあ利益を得られるのは何だという話になれば、当然みんなが気になること、とりわけ感情(喜怒哀楽)に訴える情報になる。
  • 驚愕の真実を謳うバラエティー
  • イケメンや美女の出てくるドラマ
  • 庶民を虐げる政府、的な作りのニュース
  • 非日常やファンタジーでいっぱいのアニメ
  • 野球選手やマグロ漁船、警察組織のドキュメンタリー
つまり事実を事実として取り扱っただけでは、退屈で興味を持たれにくいために数字にならないからマスコミも取り扱わないんですよね。 仮に事実で数字が取れるならもうとっくにやってますし、デマも起こりません。それよりも、感情に訴えた情報のほうが数字が取れてしまうんだから、そういう番組作ろうとするのは自然の流れになります。 だから一昨年、テレ朝でこういうことが起こったわけです。 参考:テレ朝8/6放送予定の「ビキニ事件63年目の真実~フクシマの未来予想図」に怒りの声 – Togetter 参考:繰り返された報道による言葉の暴力、「福島産」への正しい理解を(1)WEDGE Infinity(ウェッジ) 参考:繰り返された報道による言葉の暴力、「福島産」への正しい理解を(2)WEDGE Infinity(ウェッジ) 正直な話、放射線の話を一から解説して『よって福島は安全であり、子供の甲状腺検査はやめるべき。』なんて番組見たいですか? 数字取れると思いますか? そう。 「我々が聞く耳を持っていない」という状態も、『マスコミが報じない!』を誘発しているとも言えるわけです。

人は感情で動くとはどういうことか?

冒頭で書いた『マスコミが報じない真実!』という文章、個人的には非常によく感情を揺さぶれる言葉だと思っています。 ここに隠れている文脈は、『マスコミにとって都合が悪いために世の中に報じられていない、可哀想な(あるいは世間が怒るべき)何か』です。同時に『報道機関なのに報じない=やましいことを隠した組織的行為』という、政権同様にマスコミを敵視できる効果もあるほか、『価値ある真実はここにあるのでは?』というワクワク感まで閲覧者に演出できます。 こんなに短い文章なのに、分解すると膨大な意味が含まれているんです。 なので情報を世の中に広めるには、こうした感情を揺さぶる言葉も一緒に添えなければなりません。 例えば、100円のおにぎりをそのまま売っても売れないけれど、『悪魔のおにぎり』なんて名前を付けただけで売れてしまいます。もちろん『美味しい』という事実があってこそですが、これは『悪魔』という言葉が感情を揺さぶるからです。 事実が事実として広まらないのは、感情という味付け、要は塩コショウがなくて素材の味過ぎるのが原因。味のない料理は食べられたもんじゃないのに、『ほれ、事実だ!食え!』って言われたって誰も食べたくありませんよね。 余談ですが、事実でも広がりやすいのが誰かの偉業です。金メダルやノーベル賞などは、驚きを持って伝えることができる(=数字が取れる)から報じられます。 もちろん塩コショウや唐辛子、マヨネーズのつけすぎで味覚障害を起こしてはいけません。が、そういった健康被害を引き起こしているのが、昨今のインチキジャーナリストやポンコツ記者たち。 普段から『政権を監視する!』『知られざる真実がある(→『疑惑は深まった』などと言いだす)!』『数字のある画を撮る!』などという化学調味料ドバドバの味付けしか食べていないので、言うなれば味覚障害者になっています。 そんな味覚障害者の作る、デマ、ミスリード、フェイクニュースにまみれたジャンクフードな情報が健康に良いわけがありません。 でも、そんなジャンクフードでも喜んで食べてしまう人たちが世の中にはいます。

人はそもそもインフルエンサーの言うことしか聞かない生き物

意識高い系がよく言いますよね。 『何を言ったかより誰が言ったか。』って。 その通り。 人はインフルエンサー(著名人や有名人)や社会的信頼のあるものの言うことしか聞かない生き物です。
  • 親が言った
  • 先生が言った
  • 上司が言った
  • 医者が言った
  • 記者が言った
  • 有名人が言った
  • YouTuberが言った
  • 政府関係者が言った
  • ジャーナリストが言った
『この人が言うんだからそうなんだろう』と、「聞く耳を持っていない」はずの我々もインフルエンサーの言うことはホイホイ聞いちゃうのです。 つまり情報の受け手側にとって、インフルエンサーとは信頼という言葉を擬人化した存在になります。ただその多くは、どちらかというと『もし誤った情報を広げたら炎上して信用を失うのだから、この人はそんなことしないだろう』という、どこか村社会的な性質の信用のされ方ですけどね。 そして同時に、我々にとってインフルエンサーとはこういう存在でもあります。

自分が情報の正誤や善悪を判断しなくても信じていればいい人

だからみんなインフルエンサーの言うことしか聞かないわけです。 だって『自分がその情報の正誤や善悪を判断しなくていい=楽ができる』から。『この人が言うんだからそうなんだろう』とは、裏を返せば『自分が手を煩わせて確かめなくてもいい』という免罪符なんです。 例えば、有名人が詐欺的なビジネスやインチキなダイエット・美容法に用いられやすいのは、どんなものも信頼のおける何かに変えられるから。 有名人が使っている→この情報の信頼性を担保しているのは彼らの信用→つなりあなたは何も疑わなくていい、というメッセージなわけです。 当然、『有名人を使っている=何らかの裏があると思え』と一律には言えません。テレビCMなどの一般的な広告でも有名人は使われていますし、それらは通常、審査や検証、反社チェックが行われていてルールも厳しく設けられています(はず)。 僕が言いたいのは、インフルエンサーの言うことなら何でも信じちゃうようでは、この情報化社会では危険だということです。言い換えれば、無名の言うことは聞くに値しない、なんて考えが最も損します。 『何を言ったかより誰が言ったか』とは情報を提供する側が目指す理想の状態のことであって、受け手側のことではありません。誰が何を言おうと、真実はどれか、本質は何か、事実はどうなっているか、自分の意志で見極め判断しなければ価値ある情報は得られないんです。 とはいえ、自分で考える、検証する、確かめる、判断するなんて面倒な作業でしょう。現実的ではないこともあります。 でもこれを怠っている人が、詐欺、反ワクチン、有名人の映るインチキ美容法に引っかかっているんです。 するとどうなるかというと、
  • お金を失う
  • 友人関係の崩壊
  • 社会的信用の失墜
  • 子供が死ぬ(最悪の事態)
など、先ほど書いた『最も損します』の通りの結果が待っています。 特に現在は反ワクチンが喫緊の課題で、おそらくそんな親のせいで幼い子供に重篤な障害が残ったり、最悪は死んだりする未来が来るでしょう。

まとめ:情弱には自ら知ろうとしない人も含まれる

マスコミが報じないのか、それとも我々が聞く耳を持っていないのか。 ネットの『マスコミが報じない真実』と同じくらい、『世間が聞かない(つまらないからと無視している)真実』もあるはずです。 そして『もし誤った情報を広げたら炎上して信用を失うのだから、この人はそんなことしないだろう。』『自分がその情報の正誤や善悪を判断しなくていい=楽ができる』からと、インフルエンサーの言うことばかり聞いてホイホイ信じていませんか? 事実は確かに退屈です。味付けがなければ食べられたもんじゃないかもしれないけれど、野菜のように生きるのに必要な栄養が含まれています。有名じゃない、面白くない。そんなことで本来得るべき情報を無視していたら頭の中が偏ります。 もちろんデマやミスリード、フェイクニュースもあるから見極めるのは難しいかもしれない。けれど、知ろうとすることを止めてしまったら、今度は自分が知って欲しいことも知られなくなってしまいます。 あまり好きな言葉ではありませんが、そんな人も情弱なのではないでしょうか? というわけで、台風19号に関する報道やネットの動きを見ての感想でした。 さて、その台風19号の被害に対する募金などが始まっているので、リンクを貼っておきましょう。 →令和元年台風19号緊急災害支援募金(Yahoo!基金) – Yahoo!ネット募金 それとも。 有名人に言われないと動けませんか?

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※このメッセージは1年以上前の記事(当記事最初の更新は2019年10月19日)に出るものです。最新の情報と異なる可能性がありますので、公式サイトへアクセスするか別途お調べください。

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