「悪の決算書入門」恐ろしいな!節税知識の勉強と実際に手続きをやってみたい!
最近「悪の決算書入門」という本を読んでいました。
端的に言えば、「決算書をどんな風にいじれば節税になるか。そしてどうすれば税務署的に問題がないか」が書かれている本です。
当たり前ですが、脱税ではなく節税の本ですから、お間違えのないよう・・・。でもただの節税ではなく、悪の決算書入門ですから、4年落ちのベンツを買う話じゃないです。
そう、「悪」と付くくらいですから悪いことなんですが、当然悪いことというのは法律を犯すことではありません。税金を取られないようにするための、「必要悪」的なノウハウです。
決算書も所詮は新卒大学生の履歴書みたいなもん?
こんなタイトルを付けてしまいましたが、大村大次郎さんのこの本を読んでいるとそのように思えてきます。
端的にまとめると、決算書というのはこういうものだそうです。
- 決算書は作成方法が細部までは決められていない
- 数字として提示するために必要な、事業に関する明確な基準を作ることは不可能
僕は簿記をやっていたから分かるのですが、例えば、減価償却費なんかはそうです。
毎年一定額を費用化する「定額法」と、一定の割合を費用化する「定率法」がありますが、あれも事業としてより有利な方、つまり経費として計上するのに一番都合の良い方を選ぶことになります。
他には仕入れた商品の評価とか。
先入先出法、後入後出法とか(懐かしいな)ですが、こういう原価や時価の評価方法も(一定の条件はありますが)会社の裁量にゆだねられています。
だから、会社が自社の都合のいいように決算書を作ることなどは簡単なこと、というか決算書って元々がそうやって作られているんだ、ということなんですね。
だからタイトルに「新卒大学生の履歴書みたい」って書いたんです。
節税とは関係ないけどエナリスは一線を越えてアボーン
こうして見て思うのは、エナリスです。
同社は売掛金に関する会計上の疑義ということで、株価が大幅ダウンしました。あれは決算書がきっかけというか、どこかのサイトからの指摘がきっかけでしたが、売掛金の取引で不正をしていたということ。
これは本当に悪いことでしょう。
「悪の決算書入門」では、売掛金とセットの会計用語「貸倒損失」や「貸倒引当金」、つまり不良債権を使った利益調整の話もあります。
不良債権というと、僕の乏しい簿記の知識では、回収不可能になった手形や売掛金のことだと思ってました。なんかこう、企業にとっては悪いことというイメージですね。
でもそれが、利益調整の1つとして利用できるんだなと、本書を読んでビビりました。
決算書で実際に利益調整して節税してみたい!個人でもできる?
この本はどちらかというと、中小企業向けの(必要悪的な)節税マニュアルかなと思います。勤め先で実際に利益調整とか実践できればいいのですが、今のところできそうにありません。
いわゆるフリーランスなどの個人経営でも使えるノウハウがありますが、本当に中小企業の経理担当、あるいは経営者向けの本です。
あとは僕のように投資をしている人間、とりわけファンダメンタル重視の人向けですね。IRを読む人なら、会社が決算書でどんな風に利益を取り繕っているのか、を見極めるのに参考になると思います。
同じ利益が出ているのでも、経営者の報酬が削られていたり、前期と違う会計処理がされていたり、例年よりも数字が変わっていたりしたら要注意ということですね。
おっしゃる通り、お金持ちは「悪」ですよ
「お金持ちは悪」と思っている人がいるようです。
えぇ、そうですよ。
納税の義務が国民にはあるわけですが、お金持ちはこうして納税額を減額しています。税金を納めていないんですから、これはこれは悪いことをしていますよ。
でもこれはただの悪ではなく、法的に問題が無い「必要悪」だということは理解してもいいんじゃないですか?
この「必要悪」を器用に使いこなすからこそ、お金持ちたるゆえんでしょうね。
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