実は危険な『分かりやすい』の罠。難しい事を楽しく分かった気分にさせてくれる(分かったとは言ってない)ものに注意。
みなさんどうもYouTube。最近は専ら『孤独のグルメ』を見ている@xi10jun1です。
『今の若い世代「芸人:頭が良い、学者や知識人:頭が悪い」と思っている?→基準は難しい事を楽しく解った気分させてくれるかに』なんてTogetterのまとめがあったのですが、これはかなりマズい事になってきたと危惧しています。
分かりやすいことが大事とされる世の中ですが、実はどうも弊害が出始めている様子。
分かりやすい(分かったとは言ってない)
このブログもそうですし、テレビやCM、新聞やYouTubeに至るまで、情報発信は分かりやすいほうが良しとされています。
実際、文章が分かりにくいサイトというのは離脱率が高い傾向があり、それはそのまま収益にも直結する問題になるんです。あまり良い言い方ではありませんが、以前『広告は偏差値40にも分かるように』なんてフレーズが炎上したことがありましたが、残念ながらそれは事実になります。
しかしこの分かりやすいという状態、『分かりにくいからこそ成り立つ業界』にとっては害になることがあるんです。
仮想通貨に分かった気になった人らが来てしまった
例えば近年ブームの仮想通貨。
3,4年前のブームの際に、仮想通貨が儲かると言って資金を投じた人たちがたくさんいました。しかしその中には、仮想通貨のFXつまりレバレッジのかかる取引で大損して破産してしまった人も散見されています。
当時はまだ通貨としての機能が認められる程度の状態でしたが、その本質は金融取引でした。例え破産したとしても、その全てが自己責任となってしまうのです。
そして当時、儲かるからといってあまりに多くの人が仮想通貨に参入したことで、金融取引の大原則であるリスクの認識が疎かになっている実態が浮き彫りになったことが社会問題になりました。
その証拠として2018年4月、消費生活相談として寄せられた仮想通貨に関するトラブルをまとめた消費者庁のPDFがあるのですが、ここに掲載されている消費者の言い分も呆れたものです。
→ 仮想通貨に関連すると思われる消費生活相談の状況について – 消費者庁(pdf)
『信頼できる業者かどうか知りたい』『システムエラーで取引が巻き戻された(なんとかしてほしい)』『友人にICOを紹介したが上場しないので返金を迫られている』。
これ全て、口座開設前の書面に提示されてましたよね?
分かりやすい(分かってない)の原因は「楽しい」
どうして分かった気になってしまうかというと、『難しい事を楽しく分かった気分させてくれる』コンテンツの見過ぎが原因です。
小学生の頃を思い出してみてください。初めて授業で何かを理解したとき、あるいは体育やスポーツで何か技を身に着けたときに『楽しい』って感情が湧きましたよね?アレと一緒なんです。
一方、前述のような口座開設に係る書面といったものは、分かりにくくて退屈なんですよ。誰も解説してくれないし。故に、つまらないと思うから分かろうとする気力が起きない。法的拘束力を持った大事な書類であるにもかかわらずです。
少し逸れますが、そういった書面がなぜ分かりにくいかというと、『この程度の文章も禄に読めない、理解しようとしない人がやってきて互いに争ったり余計な損をしたりしないため』なんですよ。
法律にしたって説明書にしたって、ゲームの利用規約にしてもそう。その全てを読む人なんていないのが実情とはいえ、『読んでません、理解してませんは通用しない』のが社会通念になります。
しかし『難しい事を楽しく分かった気分させてくれる』コンテンツ、あるいはそれらを生業とするインフルエンサーというのはエンタメでしかないのです。そこに法的な拘束力はなく、自由の名のもとに表現しているに過ぎません。
だから、
- 分かりにくいことが
- 何故分かりにくいのかも
- 分かってない分野に
- 分かった気分にさせてくれる人が説明に来て
- 分かったと錯覚して(=分かってない)
- 無事トラブルに発展してしまう
となり、仮想通貨がまさにそれを証明したわけです。
まとめ:『分かりやすい』は『分かってない』
インフルエンサーの解説動画を見て『分かりやすい!』と思ったら危険信号です。
そこから分からなかった部分を自分で調べたり、もっと専門的な人にあたったりして初めて『分かった』という状態になれます。
『分かりやすい』ばかりが良しとされがちですが、『分かりにくい』には分かりにくいなりの理由があり、それを理解するためには知性が必要になるということです。
『分かりやすい』は『分かってない』んですよ。
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