『なぜ倒産 23社の破綻に学ぶ失敗の法則』レビュー!他社の失敗こそ経営判断の教科書!
みなさんどうも大失敗!個人事業主としてのいろんな失敗が身に染みる@xi10jun1です。
成功した経営者の『The・経営哲学』みたいな本は世にたくさんあれど、失敗した経営者の書籍はあまりありませんよね。
というわけで、日経BP社の発売した『なぜ倒産 23社の破綻に学ぶ失敗の法則』という本を読みましたのでレビューしていきます。
『なぜ倒産 23社の破綻に学ぶ失敗の法則』概要
本書は月刊誌「日経トップリーダー」という、経営者向けの雑誌で連載の「破綻の真相」を基に編集された書籍になります。
「破綻の真相」は文字通り、破綻や倒産など、経営に失敗した事例からその理由や背景を知ることを目的にした連載です。今回の本書の文章を借りるなら『失敗事例から得る学びは大きい』ということで、四半世紀以上も続く人気を誇っています。
本書はそんな連載から、よくある経営破綻のパターンを基にして23社のケースを掲載。それぞれの会社がなぜ倒産に至ったのか、その詳しい経緯が記載されています。
全体レビュー:生々しい経営の実態はまさに『下町ロケット』のバッドエンド
1つの主力事業や市場への依存、過大な設備投資、事業継承、新規事業の育成、借入金と資金繰り、リストラ、信用不安。
経営について回るこれらの事象に、どのように向き合って企業は失敗したのか。数字と綿密な取材によってまとめられた本書は、まさに経営失敗の教科書と言えます。
この書籍を僕なりに表現するならば、「中小企業の社長の奮闘記を描いた小説『下町ロケット』のバッドエンドが23通り載っている本」です。
目を背けたくなるような経営失敗のメカニズムをとことん追求
「○○社で粉飾決算がありました」とニュースではよく聞きますが、そこに至る内部の背景まではなかなか伺い知ることができません。社長が謝罪して終わってしまうことが多いでしょう。
ですが本書では会社の成り立ちから遡るため、失敗までの経緯を把握できます。
仮に粉飾決算があったとして。
- その経緯は?
- 社風は?
- 社内で何が起きていた?
- 誰が何の目的で?
- 誰のどんな指示?
- そのときの市場は?
- 好景気?
- 不景気?
経営の成功も失敗も、このような何らかの要因があるものです。
その要因が本書では事細かに、それでいて必要最小限にまとめられているので、失敗のメカニズムが非常によく理解できます。
それに倒産した会社の社長にインタビューしようなんて、なかなかできるものではありません。聞けますか?「なんで倒産したんですか?」なんて。それでも2例の社長に内情をインタビューできているのですから、取材チームの本気度が分かります。
肝に命じたこと
そして本書で出てきた失敗をしないために、一応これでも個人事業主なのでこんなことを肝に命じました。
- 1つの市場やビジネスモデルに依存しない
- 職人気質、伝統、こだわりは高確率で命取り
- ギャンブル的な経営判断は目論見が甘くなるので誤り
- デリバティブはやめろ
- 安易なリストラは収支の改善には寄与するが信用不安を招くリスクが隠れている
- 設備投資は回収の目途を慎重に検討する
- 日本の人口減少は市場の縮小や人材不足を招く深刻な状況
実は僕自身、本年入るはずだった数百万円の売り上げが飛んでいます。ネットという費用のかかりにくいビジネスモデルだから助かっていますが、本書の会社のように設備投資や人件費がかかる業態だったら?
そう思うと、体が震えますね。
まとめ:明日は我が身!経営者は今すぐこの本を手元に置いておくべし!
成功事例は再現性が低く、失敗事例は再現性が高い。
これはまさにその通りだなと、身に沁みてわかります。僕だって個人事業主としての失敗はたくさんありますが、今同じことをしても失敗するなと、本書を読んで改めて認識しました。
自分の経営判断に自信がないとき、
- 同じ状況で他社はどうしたのか
- どんな判断をして失敗したのか
そんな情報が手元にあって予め知ることができたなら、相当にリスクは減らせるのではないでしょうか?失敗事例は再現性が高いわけですし、23通りの証拠が載っているんですから。
『経営に失敗して数億円の負債や借金を抱えるか、それともこの数千円の本を購入していざというときの参考にするか』なんて言われたら、答え決まってますよね。
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