『最新《業界の常識》よくわかる石油業界』レビュー!日本人が知っておくべきエネルギーの話とは?
みなさんどうも、石油王!生まれ変わったらなりたい職業第2位が石油王の@xi10jun1です。1位は音楽家です。
実は今、ブログ飯でお馴染み、染谷昌利さんのオンラインサロン「ギガ盛りブログ飯」に参加しておりまして、そちらを経由して、日本実業出版社様の「最新《業界の常識》よくわかる石油業界」という本を献本していただきました。
染谷さんが「ワイ、出版社を動かせるで~」とか言って本気で動かしてくださったので、感謝しつつレビューしていきますね。
『最新《業界の常識》よくわかる石油業界』概要
まずは本の概要を紹介します。
『最新《業界の常識》よくわかる石油業界』は、垣見裕司(かきみゆうじ)氏著作の、株式会社日本実業出版社が発行している本です。
垣見裕司氏は、垣見油化株式会社代表取締役社長のほか、資源エネルギー庁石油販売業経営高度化調査・実現化事業委員長(2002~2007年)も歴任されてきた、エネルギー業界を知り尽くしている方です。
書籍自体は1997年に初版が出ているのですが、数年ごとに最新の情報を書き加えて出版しており、今回拝読したのは2017年3月1日発行の最新第5版でございます。
全体レビュー:石油業界の隅々まで本当によく分かる!
全体を通しての感想ですが、確かに石油業界が本当によく見渡せる一冊ですね。
単なる業界の紹介だけにとどまらず、石油の歴史、世界を取り巻く石油業界の現状と問題、掘削、生産、運搬、精製、販売、ビジネスモデルや商習慣にいたるまで、余すところなく情報が掲載されています。
例えばガソリン価格1つとっても、
- なぜその値段なのか?
- どうして同じ地域でも価格に店舗差が生まれるのか?
- SS(サービスステーションのこと。ガソリンスタンドなどを指す。)業界は今後どのようにビジネスを展開すべきか?
など、多角的な視点で論じられています。
良い点1:最新のデータと情報による解説
本書では所々にデータが用いられていて、非常に説得力を持った説明がなされています。
それもこういった本にありがちな、数年前あるいは数十年前の古いものではありません。新しいデータを加筆・修正した最新版なので、石油業界の現状をよく見て取れます。
同時に、用いられる情報や記述も最新のものが多く、つい最近まで編集されていたようです。
良い点2:石油以外のエネルギーの話も満載で深い!
さらに石油のみならず、LNG、シェールガス、メタンハイドレート、原発、地熱、水力、太陽光、水素、バイオ燃料など、いわゆるエネルギーと呼ばれるものすべてに言及があります。
石油とのエネルギー効率等の比較検討はもちろん、
- 石油がなぜ『エネルギー供給の最後の砦』と称されるのか?
- なぜ他のエネルギーは未だ石油の代替エネルギーになりえないのか?
など、業界人ならではの論考はとても深いものがあります。
残念な点1:商習慣など一般の人には分かりにくく活用しにくい一面も
一方で、非常に読みにくさを感じておりました。
例えば石油元売り会社のカードと、それに付随する業界内の問題とか。このあたりになると完全に商習慣のレベルなので、一般にはなかなか理解しにくいかなと。
それに「ガソリンをお得に入れる方法」や、「こんなSS(ガソリンスタンド)には気をつけよう」などといったお得な情報はほぼありません。なので業界研究を目的として読んだほうがいいです。
残念な点2:投機マネーは制限すべきなのか?
本書で気になったのは、「投機マネーによる原油価格(WTIなど)の乱高下は、監視や規制の強化で対処すべき」という筆者の見解です。
確かに生活必需品である原油が、投機マネーで乱高下することに対しては、僕もあまりよろしく思いません。ただ、それで仮に投機マネーを制限したとしても、結局それは別の市場に向かっていき、何か別の金融商品が乱高下するだけ。
それは回りまわって、原油の需給や価格にも影響を与えるでしょう。
なので『投機マネーの存在を織り込んだ相応の対応』とでも言えばいいのか、そういった有事の際に、価格を安定させる仕組みを業界内で構築すべきなのでは?とは思いました。
まとめ:日本人よ!包括的なエネルギーの知識を身に付けよ!
資源が無い日本。
その日本で豊かに暮らすには、エネルギーの話は切っても切れません。
昨今は原発の話にばかり終始している節がありますが、石油や電気といった根本的な話から目を逸らして良いのでしょうか?今の日本人が知っておくべきは、エネルギーに関する包括的な知識なのではないでしょうか?
この本を読んで、それを改めて認識しました。
なので、この本をオススメしたいのは、
- エネルギー業界を目指す特に理系の学生(不足しがちなビジネス面の業界研究用として)
- 石油などエネルギー系の株やETFに投資されている投資家
- 石油王と結婚したいガチ勢女子
ですね。
正直これより詳しく載っている本は、そうそうないと思います。あと石油王と結婚したいガチ勢女子なら、このくらいは読みこなしておくべきかと。
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