トヨタ自動車の春闘を2016年と2008年とで比較した結果をご覧ください。

2016年3月17日トヨタ自動車

どうも!率直に言って今年夏ごろから不況入りすると思っている@xi10jun1です。

春闘の時期ということで、様々なニュースが飛び交っていますね。

でも、僕は気がかりなんです。

今年2016年の春闘とリーマンショックの起きた2008年3月の春闘とが、どうも似ているような気がしてならないのです。

2016年の相場は2008年の相場に似ている

以前こんな記事を書きました。

https://ytrsdijun.com/archives/6708

ここではこんな分析をしていました。

引用元:https://jp.tradingview.com/chart/JPN225/

仮に2016年が同じ状況になるなら、4月~5月あたりまでに日経平均が17,000円~18,000円付近まで戻してきて頭打ちになり、その4か月後の8月~9月付近にリーマン級のトドメが来てアベノミクス相場が完全に死ぬ可能性があります。

この記事を書いてから約1か月が経過しましたが、どうでしょう?日経平均は17,200円まで回復してきましたが、今のところ、かつての2万円を試すような勢いはあまり感じられません。

さて、ここでもう1つ検証してみたいことがあります。

トヨタ自動車の春闘

春闘は毎年春に行われるわけですが、そこで決定されるベアの金額というのは、経営者が景気の先行きをどのように判断しているかを反映していると言えます。

そこでニュースとして取り上げられやすい、トヨタ自動車の春闘を2016年現在と2008年当時で比較すれば、何か分かるかもしれません。

2016年と2008年のトヨタ自動車の春闘を比較

まず当時のニュースですね。

詳しい記事があったのは、ロイターです。

まず2016年はこちら。

http://jp.reuters.com/article/toyota-nissan-idJPKCN0WI07L

そして、2008年はこちら。

http://jp.reuters.com/article/idJPJAPAN-30784820080312

ともにトヨタに焦点を当てていますので、こちらを比較してみたいと思います。

賃金

2016年の春闘では、トヨタ自動車は1,500円のベアとなり、3年連続の賃上げです。

そして2008年の春闘では、同社のベアは1,000円となり、こちらも3年連続の賃上げでした。

賃金の上げ幅は現在の方が高いですね。2016年の春闘では労働組合の要求の半分のベアでしたが、この1,500円という額は、2008年当時の労働組合の要求金額なんです。

会社の景況感

そして会社としての景況感です。

先ほども書いた通り、こうしたベアの金額は経営者が景気の先行きをどのように判断しているかを反映しています。その判断の根拠やコメントは、どのようになっているのでしょう?

まず2016年。

上田達郎常務役員によると、豊田章男社長は労使協議の場で、為替動向を含めて経営を取り巻く環境は「潮目が変わった」との認識を示し、回答結果は「組合員の頑張りや今後に向けた決意、関係各社の皆様との一体感を総合的に勘案した」と説明。「本年ほど悩んだ年はなかった」とも述べたという。

引用元:トヨタ、ベア1500円と前年割れ 経営環境の「潮目変わった」と社長|ロイター

続いて、2008年。

会見したトヨタの小澤哲専務は1000円の賃上げにとどめた理由として、急激に進む円高や原油高、米経済の減速を指摘。「先行きに不透明感が強まっている」と述べた。

引用元:08年春闘で大手が一斉回答、トヨタの賃上げは前年同額の1000円|ロイター

2016年:「潮目が変わった」

2008年:「先行きに不透明感が強まっている」

これをどう解釈するか。同じ文言だったら良かったんですけどね(;´∀`)

とはいえ、2016年は要求金額の半分、しかも四季報には最高益と出ています。同じく2008年当時も最高益だったものの、「先行きに不透明感が強まっている」として要求額の2/3となっています。

業績

最後に、同社の業績を比較してみます。

まず2016年。こちらはまだ決算になっていないので、通期予想で出ている値を用いてみます。

  • 売上高:27,500,000
  • 営業利益:2,800,000
  • 経常利益:2,980,000
  • 純利益:2,270,000

※単位は百万円

引用・参照元:トヨタ|決算報告|2016年3月期|第3四半期決算要旨(pdf)

予想売上高営業利益率は10.1%、予想売上高経常利益率は10.8%となっています。

いやはや、相変わらず超優良企業ですねぇ。さすが世界のトヨタ自動車でございます。

そして2008年。

  • 売上高:26,289,240
  • 営業利益:2,270,375
  • 経常利益:2,437,222
  • 純利益:1,717,879

※単位は百万円

引用・参照元:トヨタ企業サイト|トヨタ自動車75年史|財務|損益計算書の推移(2008年3月期)

売上高営業利益率は約8.6%、売上高経常利益率は約9.2%となっています。

このあとリーマンショックで減収減益赤字決算となるわけですが、2016年3月期には見事にこのときの最高益を超えています。

そんな大企業も、昨年の春闘では満額回答だったのが、今年は半分にとどまっているわけですか。

まとめ:判断はお任せします。

もちろん、当時と今では環境が違います。

ただ、こうした賃上げに関して経営者の景況感というのは、株価を見れば分かるのではないでしょうか?

引用元:https://jp.tradingview.com/x/fI7LNuLd/

こちらは2014年から2016年3月現在までのトヨタ自動車の株価チャートです。賃上げは2014年3月と2015年3月と実施され、そして2016年も実施されましたので、この期間にしました。

昨年の8月から9月にかけての下落、そして今年1月から2月にかけての下落は記憶に新しいですが、どうですかねぇ。

~注目:M&Aマッチングサービス~

現在、景況感の悪化に伴い、M&Aマッチングサービスで事業やサービス、メディアを売却する動きが出ています。下記記事に詳細をまとめましたので、資金繰りの案としてご検討ください。

[2020年最新版]事業や資産の売却(資金繰り)に使えるM&A(事業継承)マッチングサービスまとめ

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※このメッセージは1年以上前の記事(当記事最初の更新は2016年3月17日)に出るものです。最新の情報と異なる可能性がありますので、公式サイトへアクセスするか別途お調べください。

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Posted by jun


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