正論では解決しない問題に正論を言い放つのは誤り
みなさんどうも論客。正論の扱いに苦慮している@xi10jun1です。
小田急線電車内で切りつけ事件が発生し、その犯人の供述が盛り上がりを見せています。
Yahoo!ニュースのコメントには正論が溢れているんですが、これはかなり危険な状態だと思っています。
運とか環境のせいもあることを知らない人達ほど正論を語っている
小田急線電車内の切りつけ事件のニュースに関するコメントを要約すると、おおよそ次のようになります。
- 人のせいにしてはいけない
- 自分が努力するべき
まぁ正論です。いい暮らしやいい人と巡り合いたいなら努力する。当たり前の話です。
しかし、これはあくまで衣食住、五体満足、優良な環境が整っている状態での原則の話。
だいたい、1.2億人もの人間が住んでいたら、生まれつきの障害といった先天的な場合はもちろん、事故や災害といった後天的な場合も含めてどうしても一定数は上記が整わない人々も出てきます。
おそらくYahoo!ニュースでコメントしている人々は、そうした『人一人の力では覆しようがないほどの理不尽』を経験したことがないのでしょう。自分に起こることは全て自らの責任であると、そして起きた問題は努力次第で全て解決できると思い上がっているのです。
例えば自分の生まれつきの顔。それ自分で選んだんですか?
例えば飲酒運転の車に轢かれて半身不随になって、『そんなところを歩いていたお前が悪い』なんて言われて「はい、そうです。」と言えますか?
例えば昨年、コロナ禍を理由に甲子園が中止になりましたが球児たちが涙を流しましたが、それ彼らの責任なんですか?
こういう『人一人の力では覆しようがないほどの理不尽』を受けて、それを全部お前が悪いと決めつけられたらどういう感情が湧くかって話なんですよ。
株で損するのとは全くわけが違いますからね。
過ちを正論で説き伏せるのは誤りの場合もある
小田急線電車内で切りつけ事件の犯人の男性の言い分は、女性からの屈辱的な態度がトラウマとなり幸せそうな勝ち組が許せないというもので、およそ同情の余地もない身勝手な行為です。
そしてそれと同じくらい、彼の言い分を真っ向から正論で説き伏せるのも誤り。
マルチ商法やスピリチュアル、それこそ昨今の反ワクチンも、説得で人の考えを改めることができれば誰も苦労はしません。アイデンティティと化した自らの体験や経験に反対する意見を聞き入れることは誰だって困難ですし、余計に意固地になってしまうもの。
あるいはああいうニュースの正論コメントを見て、『お前たちに何が分かる!』って具合にさらに逆上してしまう可能性も。
まとめ:正論ではなくメカニズムへの理解を
じゃあどうすればいいのか?って話ですが、これは不遇や境遇を理解すること、あるいは『実際に存在する問題だと知ること』です。
とりわけ正論コメントとしてありがちな『どんな境遇だか知らないが、自分が悪い』というのが、『取るに足らない』という意思表示と受け取られて、予備軍たる模倣犯への余計な燃料になってしまいます。
これが最も危惧される状況です。
今回のケースであれば、現実問題として恋愛弱者の男性という存在の認知と、そこに至るまでの経緯をしっかりと汲み取るメカニズムの理解が必要ではないでしょうか?
頭ごなしに正論で叩いても問題の根本的な解決にはならないどころか、むしろどこかの誰かを焚きつけてしまい、第二第三の犠牲者が現れかねないと思います。
~注目:M&Aマッチングサービス~
現在、景況感の悪化に伴い、M&Aマッチングサービスで事業やサービス、メディアを売却する動きが出ています。下記記事に詳細をまとめましたので、資金繰りの案としてご検討ください。
→[2020年最新版]事業や資産の売却(資金繰り)に使えるM&A(事業継承)マッチングサービスまとめ
スポンサーリンク