被災者が教えよう!災害発生直後に大切な人を守れる5つの知恵

2015年3月11日ライフハック

※この記事は2016年3月11日に加筆修正をしています。

どうも!仙台市内で地震に遭い、地元福島では原発の被害に遭っていた@xi10jun1です。

3月11日。

この日はもう「震災に遭った時のための非常食を用意しよう」とか、「防災グッズを確かめよう」的なニュースがテレビで放送されるでしょう。あとは「被災地の今・・・。」といった特別番組が組まれたり。

なので今回の記事は、当時を振り返りつつ、あのような震災の直後に何が起きるか、どう行動するかについて書いていきます。少し長いかもしれませんが、テレビや雑誌の伝える「起きる前の行動」と合わせて、「起きた後の行動」もぜひ視野に入れていただければと思います。

2011年3月11日午後2時46分

東日本大震災画像

大学3年生になんなんとする僕は、仙台市内のマンションで一人暮らしをしていました。

ちょうどあの日の午後は部屋でくつろいでいて、「そろそろ買い物に行こうかな」と、のほほんとしていました。

はじめは小さな揺れ。

「お、地震だ」

でも、いつもの地震と雰囲気が少し違う。地面の下から「ンゴゴゴゴゴ・・・」と、何か大きなエンジンが動いているかのような異様な地鳴り。

「大きいのかな?」

次第に揺れが大きくなってきて、直感だったのかわからないけど、「ヤバい」と思ってコタツに身を隠した瞬間。

ガダーン!

ッダーン!

ドダダダダ!

ドァーン!

グラグラじゃないんですよ。ドァーン!なんです。

震度6弱でした。

マンションの耐震構造のおかげで助かったのですが、その後も2~3分おきに震度3前後、10分~15分おきに震度5前後の地震が襲ってきて、夜は寝られませんでした。

知恵1:災害時でも動く自動販売機「災害救援ベンダー機」の位置を知るべし

自動販売機画像

その翌日。

そんな震災が起きるとは夢にも思わなかったので、非常食だの防災グッズだの持っていませんでした。

「水と食料を確保しよう」

マンションだったので、屋上のタンクからの水は出ていました。ただ余震が頻繁に起きていたので、何かの拍子で使えなくなったら困ると思い、ひとまず外へ。

普通の自動販売機は動かない

近くにあった自動販売機は電気がストップしてしまい、動かなくなっていました。

当然です。

それで、この震災のあとに増えたのだと思いますが、災害発生時でも飲料を供給することができる自動販売機というものが存在します。それが災害救援ベンダー機と呼ばれる自動販売機です。

災害救援ベンダー機画像3

引用元:災害救援ベンダー-ベンダー事業-株式会社ムラタ

たぶん見たことあると思いますが、自動販売機の商品棚の下の空間に「災害用~」と書かれた機体を見かけませんか?あれがそうです。

災害救援ベンダー機画像2

引用元:災害救援自販機|自販機のご紹介|ダイドードリンコ

ただし、遠隔操作や専用キーによる人的操作が必要な場合があり、メーカーによって動き方が違うようです。ここにいくつかリンク先をまとめておきます。

このような災害救援ベンダー機が近所にあれば、災害用のマップなどに加筆しておくと良いと思います。

自動販売機ではコーヒーだけが残る

震災から3日後に電気が復旧したのですが、そのときに動いた自動販売機には行列ができていました。僕も何か買おうと思って並んでいると、見事に缶コーヒーだけが残っているんですよ。

他の飲料のほとんどは売り切れでした。

まぁ、コーヒー飲むとトイレに行きたくなってしまうからでしょうか?

知恵2:駅以外の公衆電話の場所を把握せよ

公衆電話画像

地震が発生してから1時間もすると、通信がパンクして使えなくなります。携帯電話はあまり使い物にならなくなる可能性が高いです。

そこで当時役に立ったのが公衆電話です。

災害時は無料(お金が戻ってくる)で利用することができます。

公衆電話の特徴と使用方法|総務省(pdf)

実は公衆電話は、市街地ではおおむね半径500m、それ以外の地域ではおおむね半径1㎞以内に設置されるように規定されています。(参照:電気通信事業法施行規則 第二章 電気通信事業の第四十条(基礎的電気通信役務の範囲) 二の規定より)

なので公衆電話の位置も、災害用マップなどに書き込んでおきましょう。ただし、駅は行列ができるので、あまりアテにはなりません。また急に思いだせなくなることも考え、電話番号も一緒にメモしておきましょう。

知恵3:コンビニは無駄足になる

コンビニ画像

水の問題もあったのですが、食糧の問題もありました。防災グッズを持っていませんでしたから。

停電で止まっていた冷蔵庫の中身は、シャウエッセンとキムチのみ。あと戸棚にレトルトカレーしかありませんでしたから、なかなか厳しい状況です。

食料を探そうとあっちこっちのお店に行きましたが、特にコンビニは役に立ちません。

なぜかというと、あっという間に食料品がなくなってしまうからです。しかも後述するスーパーのような、個数制限による販売も行われていなかった様子だったので、棚はあっという間にカラになります。

また店によっては、混乱を防ぐために開店しないところもあり、食糧調達の不確実性が極めて高いです。

なので、次に説明するスーパーなどでの買い物をおすすめします。

知恵4:食料調達はスーパーとドラッグストアへ

スーパー買い物画像

食糧調達で一番役に立ったのが、スーパーとドラッグストアです。

さすがに災害後すぐには営業しませんが、2日~5日も経つと被害の少ないお店は営業を開始することがあります。

個数制限による販売をしているお店に行くこと

スーパーもドラッグストアも、なるべくすべての人に食料がいきわたるように、「一人商品10点まで」という個数制限が設けられているところがありました。

これなら、順番を守っていればちゃんと食料が買えます。

中には個数制限を設けていないお店もあったのですが、こちらはコンビニと同じです。人が殺到してしまうがために、結局何も買えなかったというパターンになってしまいます。

僕なんてそのお店に行ったら、「麩(乾燥したカッピカピのやつ)」しか買えませんでしたからね。

「どうやって食うんだよ」と。

中にはズルい人もいるけど・・・

個数制限の販売といっても、何回も並んで必要以上に購入するなど、やはりズルい人はいるわけでして。だから、ちょこちょこトラブルも起きていたようです。

ただ、こういう人はもう放っておきましょう。

いちいち糾弾したところでどうにもならないですし、それよりも自分の食糧を必要な分調達することを優先しましょう。

ドラッグストアは穴場

食糧販売のお店として、ドラッグストアは穴場だと思います。

最近のドラッグストアはお菓子とか食料品も販売していますし、パッと思いつかないお店ですから行列もスーパーほどではありません。

それに、シリアルとか穀物系の加工食品など、栄養補助食品を多く販売しています。補助食品とはいえ、防災グッズの食品では取れない栄養や味の種類も豊富なのでなかなか役に立ちます。

知恵5:ガソリンスタンドなど「ごひいき」のお店を日頃から利用しておく

ガソリンスタンド画像

これは結構需要なところです。

震災の直後は物流が停止して、物資がなかなか入ってこないのです。

会員限定でガソリンを給油してくれる

震災から1週間後くらいに福島に戻ってきたのですが、駅について市バスに乗ったら途中で降ろされてしまいました。なぜかというと、ガソリンスタンドへの行列のせいでバスが進行できなくなったからです。

当時は「会員様限定で給油します」というスタンドも結構あったので、そういうところで給油できない人たちが行列を作っていたのです。

「なんで給油できないんだ!」と、ここでもやはりトラブルはありましたね。

個人商店でも一緒

つまり、「日ごろからご利用いただいているお客様を優先します」ということです。これはガソリンスタンドに限らず、多くの個人商店で起きていたことのようです。

父から聞いた話ですが、震災当時、あるお米を販売している個人のお店に「米を売ってくれ」とたくさんの人が訪れたそうです。しかし、そのお店はいわゆる「一見さん」にはお米を販売しなかったそうです。

こうした対応には賛否はあると思います。

しかし、普段から利用する「お得意さん」であることのメリットは大きいわけです。行列に1時間も2時間も並ぶ必要がなく、比較的安定して必要なものを手に入れられるのですから、かえってスーパーよりも便利な時があります。

会員でも顔見知りでもいいので、是非「ごひいき」のお店を作って(利用して)おきましょう。

まとめ:発生前後の行動次第で危機を回避できる!

ここまでをまとめるとこのようになります。

  1. 災害用の自販機(ベンダー機)の場所を把握すること
  2. 駅以外の公衆電話の場所を知ること
  3. 災害時はコンビニは無駄足になるから利用しない
  4. スーパーやドラッグストアで食料調達可能な場合がある(個数制限を設けているところへ)
  5. ごひいきのお店を利用しておく

こういった災害時のノウハウは細かいところを言えばキリがありません。しかし、災害用の非常食なり防災グッズなりは最低限用意しておくべきでしょう。

あとね、コミュ障とか言ってたらダメ!

電気が使えなくて携帯電話の充電ができなかったとき、貴重だったのは人から得た情報でした。

「アーケードのところで充電できるって聞いたよ」と、あのとき近所に住んでいた美人なお姉様に教えてもらったんですよ。なんと話しかけたのかは忘れましたが、必要な情報を得るのにコミュ障だ何だと言っている暇はありませんよ!

このような災害にいつどこで遭うかは誰にもわかりません。

あなたやあなたの大切な人を、未曽有の災害から守らなければなりません。

この機会に是非、防災について検討してみてはいかがでしょう?

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※このメッセージは1年以上前の記事(当記事最初の更新は2015年3月11日)に出るものです。最新の情報と異なる可能性がありますので、公式サイトへアクセスするか別途お調べください。

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Posted by jun